運転の仕方

ここでは、アルコールを燃料とする標準的ライブモデルの運転手順を写真を追って解説してみました。
1連の準備〜操作〜運転の所要時間は、約40分位掛かります。

D51標準(11年式完売品)の運転手順
  • 本ページでは、自動給水ポンプの付いたモデルを、ボールドウイン(80年発売=完売品:サービス部品とも)は、ボイラーの缶水のみで走らせるシンプルな小型タンク機関車の運転を解説しています。
  • キットから組み立てた場合、運転後、最終仕上げを、する事を前提に本ページの写真はディティル部品を外した格好で撮影されています。
  • いずれのモデルでも、完成品をお買い上げの場合、キャブや配管、デフレクター等の飾り部品=ダミーフィッティングが、ついているので、各操作系の見え方が、違います。
  • 試運転をする場合は弊社の屋上レイアウト(FAQ参照)も御利用いただけます。
(完成品購入者のみ)
取り外せるならば、バーナーを取り外してみます。
バーナーホルダーが何かで塞がっていないか確認しておきましょう。
運転環境や気象(気温や風)燃料の種類,組み立て方、運転技量・組み立て技量等によりバーナは、「まめ」に調整します。
バーナー芯は消耗品です触ってボロボロ崩れるようなら交換しましょう。又1年以上運転を中止していた場合は新品交換をお勧めします。尚現在は全てセラミックヤーンの糸芯になっております。
正確に、ボイラーに対して垂直に煙管を塞いでいないか?確認します。
全ての摺動部には、スピンドル油を注油しておきます。
スピンドル油とは、いわゆるミシン油の事です。写真では自動給水ポンプの偏心輪とポンプラム部に注油しています(必需)

粘度の低いスプレータイプのオイル※は、使用しません。(使用禁止)
摺動する個所に、スポイトや注射器で、ピンポイントに注油しておきます。

※具体的にはCRC556のようなスプレーオイルは全面禁止です。
(写真では加減リンク(Expansion Link)に注油しています)
オイルタンクには、純正スティームシリンダーオイル(エンジンオイル)(売価\2000:税別)で満タンにします。
ここに、自動車等、内燃機関用(乗用車など)のエンジンオイルを使用すると細いパイプ類を詰まらせる結果になるので厳禁です
自動車用のエンジンオイルは特に添加剤がモデルに使用されている細いパイプを必ず詰まらせるので、2サイクル・4サイクル用を問わず使用しないで下さい。
また、大型ライブ用※のオイルも粘度が高過ぎるので、冬場等は特に使用しづらいです。オイル注入後は、しっかり蓋を閉めておきます(Oリングを忘れずに!)
※3.5や5インチ用のもの
通風弁を開けます。これは、ボイラーに、ハンドポンプで給水する際に、ボイラー内の空気を逃がしてやる為です。
この時、間違って、加減弁を開けて給水しないように、注意が必要です。エンジンに水が入り始動時にピストンをウォーターロックします。
同様にバイパスバルブを閉めます。開けておくと、ポンプを幾ら漕いでも、テンダーの給水戻り管から「漕いだだけ」水が戻ります。=ボイラーに水はたまりません。
実際に確認しておきましょう。
テンダー(炭水車)のハンドポンプを漕いで給水開始です。
タンク機の場合は、別売のハンドポンプ(完売)か蒸気取入れ口からマニュアル規定量の水を入れます。
水面計(ドライバーの先で示したガラス管です)上の、見かけの、水位で、約半分以下が、写真のモデルでは、最適な給水量です。
が、モデルの、水面計取り付け位置は、まちまちなので、一概に全て同じとは、行きません。
運転テスト用コロ(別売)の上に、載せて運転する事で機種毎の最適位置を探り出しましょう。
燃料供給用のニードルバルブがしっかり締まっている事を確認します。
又エンジン(汽車本体)とテンダー(炭水車)は必ず同じ高さにセットされている事を確認してください。
燃料供給口の蓋を開けます。
Oリングを落とさないように、注意しましょう。
燃料用アルコールを供給します。下写真は、KITの余りのシリコンチューブと空の洗剤ボトルを利用して供給しています。
満タンになったら、燃料供給口の蓋を確実に閉め、燃料コック(ニードル弁)を開き燃料をバーナーに供給します。
通風弁を閉めておきます。
同様に、バイパスバルブを開けておきます。
燃料コックの開放量は機種によりますから、必ずマニュアルで指示された開放量をを基準に実験し確認します。
オーバーフロー(バーナーホルダーから燃料が溢れこぼれていない事)を確認します。
オーバフローはテンダーとエンジンの高さが同じでない為に起こる又は、燃料タンクの蓋がキチッと締まっていないため起こります。
オーバーフローが無ければ、点火します。
その前に!写真ではモデルを汚さない為に、アルミホイルでモデルを覆っています。
サクションファン(通風機/別売)を煙突に乗せスイッチを入れます。
ベンチテスト後やキットから組立てた場合、従台車は、外しておきます。
下部に小さい鏡を置きバーナーに点火、燃焼具合を確認します。
圧力計で針が2kg/cm2を過ぎたら、通風機を煙突から外し、通風弁を開けて昇圧させます。
いきなり通風弁をガバッと開けるのではなく、バーナー下に置いた鏡で、燃焼具合を、圧力計で昇圧具合を確認しながら、通風弁を調整します。
通風弁は熱くなるので、火傷に気をつけて下さい。(手袋着用)
逆転機(加減リンクも)前進方向にセットされている事を確認します。
圧力計の針が2kg/cm2を過ぎたら、安全弁が吹くかも知れません。
圧が上がらない場合は・・・原因を探りましょう。
さあスタートです。
通風弁は、ほとんど締めた状態にします。
加減弁(レギュレイター)を開けます。いきなりガバッ!と開けると、排気が強すぎて炎が吹き消えたり、降圧してしまいます。
又、ボイラーに水を入れ過ぎていると煙突から間欠泉のように熱湯(ドレン)が吹き出てきます。
火傷に注意しましょう。鍔のある帽子をかぶ?ておくと良いでしょう。小さいお子さんはそばに近づけないようにして下さい。
鏡で燃焼具合を確認しつつ、加減弁操作を(ベンチテストでは)して、排気音、燃焼音等を体得してください。
キットから組立の場合、エアーでの(コンプレッサーを利用した)エンジン部分の慣らしが十分終わっているか?
この様に、実際に「火を焚いた、慣らし運転」が、十分済んでいれば、加減弁を開けたと同時に車輪は、実物同様にセルフスタートします。が、最初は車輪を手で回してあげる必要が、あります。

通風弁は、完全に締めきります。
加減弁の開放具合による、動輪の回転数、バーナーの燃焼の違い、圧力計の針の振れ〜動きを確認します。

(写真では、キャブ:運転室は、外してあります)
ある程度、順調に、運転が継続できるようになったら、バイパスバルブの開閉で、給水量を調整し、水面計の見かけの水位の変化を確認します。
それと、同時に給水すると、降圧する。給水を止めると加圧する。バイパスバルブの開閉程度で、戻り水量がどう変化をするかを、しっかり確認しておきます。
戻り水が多いと加圧速度は上がり、動輪の回転速度は上がりますが、ボイラー内の水の消費も激しいので、そのパフォーマンスを保っていられる時間は短くなります。戻り水をゼロにして自動給水を効かせっ放しでも、ある程度温まったら最高のパフォーマンスをエンジンが効き出せるようにバーナを中心に各部をチューニングしましょう。
水面計の水位の変化は、水面計内、ボイラー内の、表面張力に、よって実際の給水量を反映して、いない場合があります。
戻り量とパフォーマンスの差、水槽の残水量、排気蒸気等で、ボイラーの水量を推量出来る位、こう言ったベンチテストを繰り返しましょう。
動輪に指を当て、エンジンに負荷をかけています。
これはエンジンが車両を牽引しているのを再現している事と同じで、加減弁の開放は一定であれば、この様に負荷を掛ければ、昇圧していくはずです。(安全弁が吹きます)
この時も、燃焼具合を目と耳で、確認しておきましょう
次に逆転機の操作をしてみます。
思い切り良く回転している動輪をそのままに、いきなり逆転機をR(リバース=後進)にするような事はやめましょう。
加減弁を閉め気味にして、場合によっては(燃焼状態を見て)通風も少し効かせ、回転が落ちたら逆転機をRに移動させます。
硬かったり引っかかりが有る時は、無理やり移動させず、エンジンを止めて、引っかかりの原因を発見します。
無理に動かすと、せっかく、合っていたバルブ調整が狂う事になります。

給水をさせたり、戻り管から給水を戻したりすると、給排水管は、温水で暖められてきます。ここで、給排水管の接続を確認し、漏水がないか?を確認します。キットから組み立てた場合、コンプレッサーで一度確認していますが、温水が、通る事で「熱膨張」により「緩み」が発見されることがあります(C57の場合:写真で指差した箇所)
ポタポタ程度の漏れが有っても、運転パフォーマンスに変化が無い場合はそのままにして合格とします。

燃料と水がなくなるのは、何分くらいか(満タンから)?
各部の組み立てた箇所に緩みはないか?確認するため、無負荷で、ある程度連続高速運転を行ってみましょう。緩みがあれば突然汽車は止まります。
さあ外れた部品・ネジは何処でしょう?探してきっちり再組み立てし直して置きます。運転終了時に指で動輪を押さえ込むような止め方は良い方法ではありません。

(1)ブロアーを空け、通風を効かせ過ぎる事でエンジンに行く蒸気を減らし、スピードとトルクを押さえ込みます。
(2)その後、加減弁を締め切ってモデルを完全に停止させます。

ボイラー内圧が残っているうちに、ブロアーをガバっと開けると急激に排気が効き、バーナーの炎が吸い込まれ消えそうに成ります。
そこですかさず、火を吹き消してあげるのが、テクニックですが、火傷の危険も伴うので、初心者は、CO2ボンベ装備の消火器で吹き消すのが安全でしょう。

運転終了後はオイルタンクからドレンを必ず抜き取り、ボイラーが「冷えたら」、水も抜いておきます。
「長期間」運転しない場合は、ボイラーに灯油を数cc入れて、コンプレッサーで少しエンジンを回しておくと完璧です。摺動部や周囲の油汚れは、アルコールで綺麗に拭き取っておきましょう。
摺動部には、軽く注油し直し、乾拭きしておきます。各バルブは開放状態で放置します(固着防止のため)

 

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